



1.北アメリカ州の自然環境

北アメリカ州にはアメリカ合衆国はもちろんのことカナダやメキシコなどお前さんでも知っとる国のほか、カリブ海にはたくさんの島国がある。


へー。そうなんだー。

アメリカの地形で絶対覚えておきたいのが3つある。
- 北アメリカ大陸西側にあるロッキー山脈
- 大陸中央からメキシコ湾に流れるミシシッピ川
- アメリカ/カナダ国境付近にある五大湖



……。
あとは、よく似た名前のグレートプレーンズとプレーリーは入試なんかにはよく出る。
グレートプレーンズはロッキー山脈東側にある高原状の大平原や。
一方プレーリーは、ミシシッピ川西側に広がる草原や。
ごっちゃにしやすい二つやから注意せい。
後で説明するけど農業の違いが見られる。


左、グレートプレーンズ。
右、プレーリーだね。
2.アメリカの農業

アメリカの農業には大きく2つの特徴がある。
大規模な企業的農業と適地適作や。
1.企業的農業

アメリカには日本とは比べものにならんほどの広大な農地が広がっておる。
企業的農業とは、その広大な農地を少ない人手で大型機械や灌漑設備などを使い、効率的に大量生産しとることや。


へー。

その規模は凄まじく、日本と比べると何十倍も違ってくる。


おおー。

例えば大規模な灌漑設備を使ったアメリカの農業で有名なのがセンターピポット方式や。

センターピポットー?

センターピポット方式とは、地下水を汲み上げて車輪のついた回転するスプリンクラーで散水して作物を育てる方法や。
回転するから農地の形が円形になるのが特徴や。
上空から見ると何百mにもなる円がポンポン並んでるおもしろ風景になるんや。


ひえー。
何百mもの円形の農地なんか想像がつかないなー。

この企業的農業で穀物、牛肉の輸出量は世界トップクラスや。
北アメリカは「世界の食糧庫」とも呼ばれておる。


こんな感じで農業を専門とするアグリビジネス企業がアメリカにはぎょうさんおる。
その中で特に絶大な力を持っとる企業を穀物メジャーと呼ぶんや。

2.適地適作

もう一つのアメリカの農業の特徴が適地適作や。

てきちてきさくー?

適地適作とは、土壌や気候など自然環境にあわせた作物を作ることや。


自然環境に合わせて農業するなんて、当たり前っちゃー当たり前だよね…。

まあアメリカは規模がすごいからな…。
例えば雨があんま降らんくて草しか育たんとこは放牧をやったり、あったかくて降水量があるとこは綿花を育てたり、寒いとこは酪農やったり、都市に近いとこは園芸農業やったり、あとは組み合わせて混合農業したり。

わわわ……いっぱい出てきた……
酪農?園芸農業??混合農業???

……。
ここらへんはヨーロッパの農業で出てきたところやぞ!!
当然覚えとるやろな!?

……。
復習




で、大体のアメリカの農業の分布が以下のようになる。


へー。
いろいろ作ってるんだねー。

さっきの話で言うとグレートプレーンズでは放牧、プレーリーでは畑作が盛んや。

放牧ってことは……牛肉だ!!


で、こっからが重要なポイントなんやけど、アメリカ農業の分布で覚えておきたい指標が二つある。
西経100°と年間降水量500mm線や。
この2つが大体おんなじところを通ってて、畑作か放牧の境界線になっとるからテストによう出るんや。
覚えときー。


西経100°、降水量500ミリ……メモメモ。
さっきのグレートプレーンズとプレーリーも大体西経100°を境に分かれてるんだね。
3.アメリカの工業

19世紀後半からアメリカの工業は五大湖周辺を中心に発展してきた。
近くで鉄鉱石や石炭が取れ、水運があり重工業製品が世界に輸出されとった。
特にピッツバーグの鉄鋼業とデトロイトの自動車工業は有名や。


自動車工業から生まれた流れ作業による大量生産方式は、アメリカが世界をリードする国になった一要因やな。


ほへー。

ただ20世紀後半に入ると日本やドイツ、その後アジア諸国でも安く良い製品が作られるようになりアメリカの重工業は徐々に競争力を失っていった。

うんうん。
日本の自動車産業は世界的だよね。

そこで重工業の次にアメリカで発展してきたのが情報通信技術(ICT)産業や。

あいしーてぃー?

コンピュータやらやな。
このICT産業が特に北緯37°以南の地域で発展しており、そこをサンベルトっちゅうんや。
そのサンベルトの中でも太平洋側にあるシリコンバレーにはICT関連の企業がぎょうさん集まっとるで有名や。


へー。サンベルト。

これらの地域の他に安い賃金の労働力を確保するためにメキシコに工場を建てるアメリカの企業もおる。
こんな感じで関わりの深いアメリカ・カナダ・メキシコの3国は貿易の自由化を行い、北米自由貿易協定(NAFTA)を結んでおる。

へー。
北アメリカ州同士仲良くやってるんだね。

まあただ、NAFTAは2020年に一回失効し、現在は「アメリカ・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」になっとる。
4.アメリカの文化

北アメリカにはもともと先住民がおったが17世紀以降ヨーロッパから移民がやってきて占領するようになった。
近年は高い賃金を求めてメキシコや中南米やらからの移民も増えてきており、現在アメリカは多種多様な人種が暮らしとる。


へー、ん??
グラフにあるヒスパニックって何??

お!!
お前さんにしてはええポイントに気付いたな。
ヒスパニックとは、メキシコなどからの移民(その子孫)で主にスペイン語を話す人々のことをいう。

へー。そうなんだー。

大量生産・大量消費生活

アメリカ発の大量生産・大量消費の文化は世界に広がりつつある。

日本にも大型ショッピングセンターがいっぱいできてるよね。
◯ストコとか。

せやな。
アメリカを本社に持つ多国籍企業もぎょうさんある。
ハンバーガーチェーンのM社とかな。


アメリカはイケイケどんどんやけど、近年環境問題は深刻化しとる。
大量生産・大量消費ってことはそれだけ資源も使い大量のゴミが発生するし、地球温暖化の原因とされる温室効果ガスも大量に排出される。


アメリカめ〜。

アメリカはもともと、石油や天然ガスが豊富に産出されとったがあまりの消費の多さに輸入もトップクラスやった。
ただ近年技術革新があり、それまでは採掘が困難だったシェールオイルやシェールガスの採掘が可能になり、生産量を増やしとる。

へえー…。
良いことのような…悪いことのような…。

環境問題については一人一人がしっかり考えやんといかんわな。
今回の講義はここまでや。
最後に今日のまとめと理解度チェックテストや。
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おおっ!?



12か月一括払いなら月当たり1815円や。
月払いやっても2178円や。

おお!?
月2000円くらいなのか!?
それなら僕のお小遣いでも……
でもなー…。


おおー。
お父さんお母さんに聞いてみよっかな。


5.今回のまとめ
- アメリカの地形で覚えておきたい3つ
- 北アメリカ大陸西側にあるロッキー山脈
- 大陸中央からメキシコ湾に流れるミシシッピ川
- アメリカ/カナダ国境付近にある五大湖
- グレートプレーンズは、ロッキー山脈東側にある高原状の大平原で放牧が盛ん
- プレーリーは、ミシシッピ川西側に広がる草原で畑作が盛ん
- 企業的農業とは、広大な農地を少ない人手で大型機械や灌漑設備などを使い、効率的に大量生産すること
- センターピポット方式とは、地下水を汲み上げて車輪のついた回転するスプリンクラーで散水して作物を育てる方法
- アメリカには農業を専門とするアグリビジネス企業がたくさんあり、特に絶大な力を持つ企業を穀物メジャーという
- 適地適作とは、土壌や気候など自然環境にあわせた作物を作ること
- アメリカ農業の分布で覚えておきたい指標、西経100°と年間降水量500mm
- アメリカの工業は五大湖周辺を中心に重工業で発展してきた
- 重工業の次にアメリカで発展してきたのが情報通信技術(ICT)産業
- ICT産業が特に北緯37°以南の地域で発展しており、そこをサンベルトという
- サンベルトの中でも太平洋側にあるシリコンバレーにはICT関連の企業がたくさん集まっている
- アメリカ・カナダ・メキシコの3国は貿易の自由化を行い、北米自由貿易協定(NAFTA)を結んでいた
- ヒスパニックとは、メキシコなどからの移民(その子孫)で主にスペイン語を話す人々のことをいう
- 近年技術革新があり、それまでは採掘が困難だったシェールオイルやシェールガスの採掘が可能になった

まとめを踏まえて、理解度チェックテストに挑戦や。
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ラストに理解度チェックテストで実力完成や!!
6.理解度チェックテスト
【1】下の地図の空欄( )に当てはまる地名を答えよ。

【2】空欄( )を埋めよ。同じ語句が入る場合もある。
( )とは、広大な農地を少ない人手で大型機械や灌漑設備などを使い、効率的に大量生産する農業のこと
( )方式とは、地下水を汲み上げて車輪のついた回転するスプリンクラーで散水して作物を育てる方法
アメリカには農業を専門とするアグリビジネス企業がたくさんあり、特に絶大な力を持つ企業を( )という
( )とは、土壌や気候など自然環境にあわせた作物を作ること
アメリカ農業の分布で覚えておきたい指標、西経( )°と年間降水量( )mm
ICT産業が特に北緯( )°以南の地域で発展しており、そこを( )という
サンベルトの中でも太平洋側にある地域( )にはICT関連の企業がたくさん集まっている
アメリカ・カナダ・メキシコの3国は貿易の自由化を行い、北米自由貿易協定=( )を結んでいた
( )とは、メキシコなどからの移民(その子孫)で主にスペイン語を話す人々のことをいう
近年技術革新があり、それまでは採掘が困難だった( )オイルや( )ガスの採掘が可能になった
【3】下の図は主なアメリカの農業分布図である。空欄( )に当てはまる作物名/農業名を答えよ。


【1】下の地図の空欄( )に当てはまる地名を答えよ。

【2】空欄( )を埋めよ。同じ語句が入る場合もある。
(企業的農業)とは、広大な農地を少ない人手で大型機械や灌漑設備などを使い、効率的に大量生産する農業のこと
(センターピポット)方式とは、地下水を汲み上げて車輪のついた回転するスプリンクラーで散水して作物を育てる方法
アメリカには農業を専門とするアグリビジネス企業がたくさんあり、特に絶大な力を持つ企業を(穀物メジャー)という
(適地適作)とは、土壌や気候など自然環境にあわせた作物を作ること
アメリカ農業の分布で覚えておきたい指標、西経(100)°と年間降水量(500)mm
ICT産業が特に北緯(37)°以南の地域で発展しており、そこを(サンベルト)という
サンベルトの中でも太平洋側にある地域(シリコンバレー)にはICT関連の企業がたくさん集まっている
アメリカ・カナダ・メキシコの3国は貿易の自由化を行い、北米自由貿易協定=(NAFTA)を結んでいた
(ヒスパニック)とは、メキシコなどからの移民(その子孫)で主にスペイン語を話す人々のことをいう
近年技術革新があり、それまでは採掘が困難だった(シェール)オイルや(シェール)ガスの採掘が可能になった
【3】下の図は主なアメリカの農業分布図である。空欄( )に当てはまる作物名/農業名を答えよ。

[解説]
西経100°もしくは年降水量500mm線より西の地域では放牧が盛ん。特にグレートプレーンズは放牧が有名。
南部の比較的降水量のある地域では綿花栽培が盛んで、サンベルト地域と重なる。以前は奴隷として連れてこられた黒人が労働者として働かされていた。
大都市近郊では、新鮮かつ輸送費を抑える園芸農業が盛ん。